DESIGN
Good TOOLS For Me | 愛用のお茶碗を教えてください。
October 21, 2014 | Design | a wall newspaper | editor_Yuka Uchida
毎回、3人のゲストに愛用している日用品を教えてもらいます。
今回のテーマはお茶碗。おいしい新米の季節ですからね!
武田晋一さんが絵付けした 比留間郁美さんのお茶碗。(川瀬知代/イラストレーター)
6年前でしょうか。私は初めて作家モノの器を買いました。それがコレです。武田君と比留間さんに会ったのもこのときが初めてでした。ほかの作品はもっとポップだったりロマンチックだったりしたのだけど、この幽霊さがたまらなく好きでチョイス。
大きめ広めなので、いろんなおかずを盛って使っているのですが、やっぱりお茶碗には白いご飯! 炊きたての白米の美しさったら!! 少し灰色がかったにじみの円に、キラキラ輝く白米を小山にふわりと盛る。湯気までも含んだ察限りなく白の美拶。あ~うっとり。ここに梅干しの赤や青菜の緑が少し入るだけで、なんとも映える。決まる。釉による灰色のにじみと、意味があるんだかないんだかわからない絵柄のバランス。素っ気ないようで、温かな器です。存在感がないかと思いきや実はかなりある点も気に入ってます。
そんな比留間さんの器に、なんとこのたび私も絵付けをさせていただくことになりました。自分の絵や模様が入った器を日常で使えるなんて。初の試みですが、嬉しく楽しみであります!
大きめ広めなので、いろんなおかずを盛って使っているのですが、やっぱりお茶碗には白いご飯! 炊きたての白米の美しさったら!! 少し灰色がかったにじみの円に、キラキラ輝く白米を小山にふわりと盛る。湯気までも含んだ察限りなく白の美拶。あ~うっとり。ここに梅干しの赤や青菜の緑が少し入るだけで、なんとも映える。決まる。釉による灰色のにじみと、意味があるんだかないんだかわからない絵柄のバランス。素っ気ないようで、温かな器です。存在感がないかと思いきや実はかなりある点も気に入ってます。
そんな比留間さんの器に、なんとこのたび私も絵付けをさせていただくことになりました。自分の絵や模様が入った器を日常で使えるなんて。初の試みですが、嬉しく楽しみであります!
川瀬知代
イラストレーター。〈粒粒〉という名で此おにぎり頃を中心としたフード活動も。10月18日~11月3日は比留間郁美さんと自由が丘の〈Eckepunkt〉で二人展開催。
〈天空窯〉永井健さんの 焼き締めのお茶碗。(スズキタカユキ/デザイナー)
このお茶碗は妻が選んでくれたものです。お茶碗は、ほぼ、毎日使うものなので、いかに手に馴染むかが大切だと考えています。やはり、使っていて手に馴染んでいかないものは、徐々に使わなくなっていってしまいます。その点、このお茶碗はもう何年も使い続けています。素朴で、派手さはないのですが、非常に良くできた完成度の高いものだと思います。
使い続けられる重要なポイントは、軽さと形の適度なバランスだと感じています。永井健さんの焼き締めのうつわは、見た目の雰囲気とは違い、手に取ると、驚くほど薄くて軽いのです。備前焼の雰囲気とは違う、もうすこし硬質で洗練された形と、土臭い雰囲気の中にも凛とした繊細さを感じさせる、非常に稀有なものです。使い込むごとに手に馴染み、味わいが出ていく素晴らしい作品です。
永井さんの作品では、ほかにも急須を使わせていただいていて、こちらも可愛らしいフォルムが特徴の、ほんとうに素敵なものです。
使い続けられる重要なポイントは、軽さと形の適度なバランスだと感じています。永井健さんの焼き締めのうつわは、見た目の雰囲気とは違い、手に取ると、驚くほど薄くて軽いのです。備前焼の雰囲気とは違う、もうすこし硬質で洗練された形と、土臭い雰囲気の中にも凛とした繊細さを感じさせる、非常に稀有なものです。使い込むごとに手に馴染み、味わいが出ていく素晴らしい作品です。
永井さんの作品では、ほかにも急須を使わせていただいていて、こちらも可愛らしいフォルムが特徴の、ほんとうに素敵なものです。
スズキタカユキ
〈suzuki takayuki〉デザイナー。2007年より東京コレクションに参加。最近では、ウェディングドレスの制作や舞台美術のデザインなど活動の場を広げている。
石井直人さんの 刷毛目茶碗。(冷水希三子/料理家)
お茶碗は仕事柄かもしれませんが、一人暮らしにしてはたくさんすぎるほど持っています。その中でもこのお茶碗はなんだかよく手にします。実は最初、お茶碗として買ったというよりは、日本人に生まれたならいつかはやってみたいと思っている(なかなか腰が重くてできませんが)お茶の抹茶茶碗として購入したのでした。少し小ぶりなんですが、それが逆にぴったりと両手に収まり、佇まいにも風格があるので家でのお茶には良いかも、と妄想の世界が広がったのです。
けれど家に連れ帰ってみると、小ぶりな感じが、1回の食事で1合のご飯をペロリと食べてしまう私には、ご飯のセーブになってちょうどよさそうで、使ってみると、深さや持ち加減もなかなかよく、頻繁に使うお茶碗になりました(結局おかわりをするので、ご飯の量はセーブできていませんが……新米ならなおさら……笑)。
頻繁に使うことで、最初の風格から日々の時間が合わさり、物から生活の景色になったお茶碗。今の楽しみはこれでお茶をたてる日がくることです!
けれど家に連れ帰ってみると、小ぶりな感じが、1回の食事で1合のご飯をペロリと食べてしまう私には、ご飯のセーブになってちょうどよさそうで、使ってみると、深さや持ち加減もなかなかよく、頻繁に使うお茶碗になりました(結局おかわりをするので、ご飯の量はセーブできていませんが……新米ならなおさら……笑)。
頻繁に使うことで、最初の風格から日々の時間が合わさり、物から生活の景色になったお茶碗。今の楽しみはこれでお茶をたてる日がくることです!
冷水希三子
料理家。旬の元気な食材をなるべく使った料理を雑誌、書籍、広告などで提案。近著『ちょっと贅沢なおもてなしレシピ』(家の光協会)は家庭用コース料理レシピ集。