DESIGN
Good TOOLS For Me | 愛用の鉄のフライパンを教えてください。
September 2, 2014 | Design, Food | a wall newspaper | editor_Yuka Uchida
3人のクリエイターに愛用している日用品を聞くこのコーナー。今回は、じっくり育てるのが楽しみな鉄のフライパンです。
〈釜浅商店〉の打ち出しフライパン。(紺野 真/〈uguisu〉〈organ〉オーナー)
釜浅さんがオーダーメイドをしてくれるというのを知ってからは、このフライパン一筋。僕がこのフライパンを気に入っているのにはいくつかの理由があります。まず一般的なフライパンより相当厚みがある。釜浅さんのオリジナル商品のフライパンの厚さは2.3mm。これでも一般的なフライパンよりかなり厚みがあるのですが、僕はそれをさらに3.2㎜にしていただいています。鉄が厚いために温度が一定に保たれ、素材にじっくりと火を通すことができ、同時に焼きムラも少なくなります。また取っ手がリベット付けではなく、溶接されているために、リベットから錆が発生することもありません。取っ手は一段低い位置につけられていて、そこにトングを置いたりすることもできます。
もう本当に非の打ちどころがないほど完成度が高いフライパンだと思います。唯一欠点があるとすれば、やたらと重くて腕が疲れるということ。まぁ、自分で特注したんですけどね(笑)。今では仕事仲間たちの誕生日や開店祝いにもこのフライパンを贈っています。
もう本当に非の打ちどころがないほど完成度が高いフライパンだと思います。唯一欠点があるとすれば、やたらと重くて腕が疲れるということ。まぁ、自分で特注したんですけどね(笑)。今では仕事仲間たちの誕生日や開店祝いにもこのフライパンを贈っています。
こんのまこと
フレンチビストロ料理と自然派ワインの店、三軒茶屋の〈uguisu〉と西荻窪の〈organ〉店主。現在はオルガンにて毎日フライパンをふるう。
有元葉子セレクションのエンボスフライパン。(渡辺ペコ/漫画家)
3年くらい前に吉祥寺で購入しました。こういうのを使えばちょっと素敵っぽくなれるのかなって思ったんですよね。ならなかったですが。
私はテフロンとの両刀使いなのですが、ずぼらなのでこちらは錆びさせてばかりで、使っては磨きの繰り返しです。これは取っ手が短くてオーブンにも入るところが便利です。野菜や肉にフライパンで焼き目をつけてからオーブンで火を通すときにそのままいけます。炒めるときには油をなじませてしっかり熱するとか、使った後に適度な手入れを要するところが察持ち主を甘やかさない道具拶って感じがします。
あと、私は『ふらいぱんじいさん』という絵本が大好きなのですが、この鉄フライパンはそのおじいさん(?)にちょっと似ていて、親しみがあります。テフロンの黒と鉄の黒はやっぱり違いますよね。鉄の黒は深くてかっこいい。私は剥げさせてしまったんですが……。鍋やフライパン、安くても高くても、いろんなものを一緒に作ってきて食べさせてくれたよなぁって、ときどきしみじみします。
私はテフロンとの両刀使いなのですが、ずぼらなのでこちらは錆びさせてばかりで、使っては磨きの繰り返しです。これは取っ手が短くてオーブンにも入るところが便利です。野菜や肉にフライパンで焼き目をつけてからオーブンで火を通すときにそのままいけます。炒めるときには油をなじませてしっかり熱するとか、使った後に適度な手入れを要するところが察持ち主を甘やかさない道具拶って感じがします。
あと、私は『ふらいぱんじいさん』という絵本が大好きなのですが、この鉄フライパンはそのおじいさん(?)にちょっと似ていて、親しみがあります。テフロンの黒と鉄の黒はやっぱり違いますよね。鉄の黒は深くてかっこいい。私は剥げさせてしまったんですが……。鍋やフライパン、安くても高くても、いろんなものを一緒に作ってきて食べさせてくれたよなぁって、ときどきしみじみします。
わたなべぺこ
札幌市生まれ。主な作品に『にこたま』(講談社)、『ラウンダバウト』(集英社)など。作中の料理の表現がユニーク。WEB「幻冬舎プラス」で不定期連載中。
〈(READYMADE)PRODUCTS〉のウィークエンダー。(山本千織/〈chioben〉主宰)
以前は「すべて中華パンでやるぜ!」という勢いで調理をしていたのですが、お弁当中心の今、それほどガシガシ炒めるということがなくなり、かといって「焼き」に集中するメニュー構成にもなっておらず、フライパン自体の捉え方も日々調理の中で変わってきました。
これは以前九州にワークショップへ出向いた際、頂いたダッチオーブンです。地元のプロダクトが入っている鋳物工場で作っていて、フライパン+αの仕事をしてくれます。熱伝導の良さや焼き上がりのきれいさ、「焼き」から煮、「焼き」から蒸すという次の工程にスムーズに移行でき、家で使用する際はこれ一つで全部やってしまいます。
フライパンの良さはどことなく生まれる「相棒感」。熱をしっかり入れてあげて油をたっぷりなじませ、休ませ、また火の調整をしながら「よろしく!」と声をかけたくなる作業が始まる。揚げ鍋のほうが酷使しているにもかかわらず、立場が低いのはなぜなのだろうと思いつつ、私にとって着火しがいがあるフライパンです。
これは以前九州にワークショップへ出向いた際、頂いたダッチオーブンです。地元のプロダクトが入っている鋳物工場で作っていて、フライパン+αの仕事をしてくれます。熱伝導の良さや焼き上がりのきれいさ、「焼き」から煮、「焼き」から蒸すという次の工程にスムーズに移行でき、家で使用する際はこれ一つで全部やってしまいます。
フライパンの良さはどことなく生まれる「相棒感」。熱をしっかり入れてあげて油をたっぷりなじませ、休ませ、また火の調整をしながら「よろしく!」と声をかけたくなる作業が始まる。揚げ鍋のほうが酷使しているにもかかわらず、立場が低いのはなぜなのだろうと思いつつ、私にとって着火しがいがあるフライパンです。
やまもとちおり
〈chioben〉の屋号で、ケータリング、出張料理、お弁当の販売などを手がける。初の著書『見たことのない味 チオベンのお弁当』(マガジンハウス)が発売中。