DESIGN
Good TOOLS For Me | 愛用のサインペンを教えてください。
August 8, 2014 | Design | a wall newspaper | editor: Yuka Uchida
毎回3人のゲストに愛用している日用品を教えてもらいます。今回はサインペン。これじゃないと! って一本、ありますよね。
PILOTのサインペン《P–500》。(伊藤徹也/フォトグラファー)
いつの間にかポケットに入っている100円ライター。まだタバコを吸っていたころ、他人から借りてはそのまま無意識にしまい込むという悪い癖があった(すみません)。
そんなふうにさりげなくさも当たり前な顔をして、気づくとこいつは我が家に居た。家族に聞いてもそんなやつは知らないという。明らかに見たことのないデザイン。いつどこで誰から借りたものかも思い出せない。打ち合わせの際ペンがない僕に、親切なクライアントさんが好意で貸してくれたものだろうか。それをあろうことか、またもや無意識にカバンの中に放り込んだ自分の姿が目に浮かぶ。
縁? あって我が家にやってきた《PILOT P−500》。デザイン性はゼロ、所有する喜びはかなり低いが、これほどまでに自分の癖やペン圧にマッチしたペンに出会ったことがなかった。まさに自分にとってはオンリーワンな存在。早速買い足そうとするも、日本では販売していないことが判明。ロスにいる妹から定期的に送ってもらい愛用し続けている。
そんなふうにさりげなくさも当たり前な顔をして、気づくとこいつは我が家に居た。家族に聞いてもそんなやつは知らないという。明らかに見たことのないデザイン。いつどこで誰から借りたものかも思い出せない。打ち合わせの際ペンがない僕に、親切なクライアントさんが好意で貸してくれたものだろうか。それをあろうことか、またもや無意識にカバンの中に放り込んだ自分の姿が目に浮かぶ。
縁? あって我が家にやってきた《PILOT P−500》。デザイン性はゼロ、所有する喜びはかなり低いが、これほどまでに自分の癖やペン圧にマッチしたペンに出会ったことがなかった。まさに自分にとってはオンリーワンな存在。早速買い足そうとするも、日本では販売していないことが判明。ロスにいる妹から定期的に送ってもらい愛用し続けている。
いとうてつや
フォトグラファー。ポートレート、ランドスケープ、建築等、ジャンルを問わず活動。3月には初の個展を目黒の〈COMPLEX〉で開催。大好評のうちに終了した。
〈ARTWIN〉のカラーペン。(尾花大輔/ファッションデザイナー)
サインペンは、手書きの短いお礼状等を書くときと、デザイン画を描くときにいつも使っています。デザイン画というよりも、スタイル画で、もともと、1.6と0.5のボールペン2種類を使って描いていました。それが、7年ほど前、パリでエキシビションをしていたときに、素敵なご招待を受け、ローマのフェンディのアトリエでカール・ラガーフェルドのデザイン画を見る機会に恵まれ、彼の躍動感あふれる美しいデザイン画に衝撃を受けました。
恐らく彼はサインペン的な物で描いており、即、影響を受けて、サインペンに変えました。ボールペンより、画に表情と陰影が出やすく、ラフな線が引きやすいせいか、伝えたい画がより早く、そして、より強く描けるようになった気がします。幾つか試してみて、この〈ARTWIN〉のペンの長さが自分には安定感がよく、両方のペンの太さも気に入ってます。デザイナーを目指している人は、巨匠のデザイン画をぜひ一度は見たほうがいいでしょうね。
恐らく彼はサインペン的な物で描いており、即、影響を受けて、サインペンに変えました。ボールペンより、画に表情と陰影が出やすく、ラフな線が引きやすいせいか、伝えたい画がより早く、そして、より強く描けるようになった気がします。幾つか試してみて、この〈ARTWIN〉のペンの長さが自分には安定感がよく、両方のペンの太さも気に入ってます。デザイナーを目指している人は、巨匠のデザイン画をぜひ一度は見たほうがいいでしょうね。
おばなだいすけ
ファッションデザイナー。2000年に〈N.HOOLYWOOD〉を設立。東京、パリを経て11年SSよりNYでコレクションを発表。モノ選びの審美眼に定評がある。
三菱ペイントマーカー シルバーの中字。(ミロコマチコ/画家・絵本作家)
少し使い勝手の悪いものが好き。割れた筆、開けにくい瓶、エラーが多い携帯電話。なんだか手間がかかるもののほうが付き合う時間がたくさんあって、愛着が湧いてしまう。
このペンも私にとってはそんな感じ。主に絵本などにサインをするときに使っている。使い始めはすごく時間をかけてペン先を押さないと色が出てこない。書いていてもすぐにかすれてしまう。カチャカチャと振って中に入っているボールをよく動かし、試し紙などにぎゅっとペン先を押し付けて色が出るのを待つ。この作業が頻繁に必要なので、サイン会などではいつもお客さんを待たせている。試し書きができる紙も常備していないといけない。ぎゅっと押し付けすぎるとインクがドバァッと出てしまうこともある。でもインクが出るのを待つ時間に休憩するのもいい。カチャカチャ振りながらリズムを取るのもいい。ドバァッと出てしまうハプニングもいい。そのたびに、あらあらら、なんて言いながらサインをしている。愛用しすぎて今では振らなくていいペンも癖で振ってしまうほど。
このペンも私にとってはそんな感じ。主に絵本などにサインをするときに使っている。使い始めはすごく時間をかけてペン先を押さないと色が出てこない。書いていてもすぐにかすれてしまう。カチャカチャと振って中に入っているボールをよく動かし、試し紙などにぎゅっとペン先を押し付けて色が出るのを待つ。この作業が頻繁に必要なので、サイン会などではいつもお客さんを待たせている。試し書きができる紙も常備していないといけない。ぎゅっと押し付けすぎるとインクがドバァッと出てしまうこともある。でもインクが出るのを待つ時間に休憩するのもいい。カチャカチャ振りながらリズムを取るのもいい。ドバァッと出てしまうハプニングもいい。そのたびに、あらあらら、なんて言いながらサインをしている。愛用しすぎて今では振らなくていいペンも癖で振ってしまうほど。
ミロコマチ
画家、絵本作家。『てつぞうはね』(ブロンズ新社)で第45回講談社出版文化賞絵本賞受賞。