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新連載:山下めぐみのロンドン通信|この夏、サーペンタイン・ギャラリーによる、2つのプロジェクトが熱い。

| Art, Architecture, Travel | casabrutus.com | photo_Haruko Tomioka   text_Megumi Yamashita

ロンドン在住のジャーナリストが旬のトピックをお届けする連載がスタート! 初回は〈サーペンタイン・ギャラリー〉による、毎年大注目の建築パビリオン、そして、それを上回る注目度のサーペンタイン湖に浮かぶ、クリスト&ジャンヌ=クロードの巨大アートについてレポートします。

ハイドパークとケンジントンガーデンズという隣接する2つ公園の中央にある、サーペンタイン湖。そこに出現したクリスト&ジャンヌ=クロードの〈ザ・マスタバ〉。7,506個のドラム缶を積み重ね、高さ20m×幅30m×40mという巨大さ。
ハイドパークとケンジントンガーデンズという隣接する2つ公園の中央にある、サーペンタイン湖。そこに出現したクリスト&ジャンヌ=クロードの〈ザ・マスタバ〉。7,506個のドラム缶を積み重ね、高さ20m×幅30m×40mという巨大さ。
フリーダ・エスコベドがデザインした建築パビリオン。波型の屋根瓦を重ねた内外壁の隙間から、後ろの本館や周囲の緑が透けて見える。
フリーダ・エスコベドがデザインした建築パビリオン。波型の屋根瓦を重ねた内外壁の隙間から、後ろの本館や周囲の緑が透けて見える。
ハイドパークとケンジントンガーデンズという隣接する2つ公園の中央にある、サーペンタイン湖。そこに出現したクリスト&ジャンヌ=クロードの〈ザ・マスタバ〉。7,506個のドラム缶を積み重ね、高さ20m×幅30m×40mという巨大さ。
フリーダ・エスコベドがデザインした建築パビリオン。波型の屋根瓦を重ねた内外壁の隙間から、後ろの本館や周囲の緑が透けて見える。
イギリス国内に実作品がない建築家の作品を「展示」する目的で始まった〈サーペンタイン・ギャラリー〉が主催する建築パビリオン。本館周辺に6月から10月まで仮設され、カフェや各種イベントを主催し、ロンドンの夏には欠かせない存在になっている。2000年のザハ・ハディドに始まり、日本からは伊東豊雄、SANAA、藤本壮介の作品も展示されてきた。18回目となる今年は、最年少にして3人目の女性となるメキシコのフリーダ・エスコベドの作品が登場した。
床の一部が水盤、天井にはミラー仕上げのスチール板が張られ、周囲の風景が複雑に映り込む。内壁は南北を結ぶライン上にあり、移築した際もこれがガイドになる。
床の一部が水盤、天井にはミラー仕上げのスチール板が張られ、周囲の風景が複雑に映り込む。内壁は南北を結ぶライン上にあり、移築した際もこれがガイドになる。
コンクリート製の波形の瓦が主素材。各瓦には穴が2つづつ空いており、ここに鉄のロッドを通しながら、瓦を重ねていく。移築することを考え、解体し易いことも考慮されている。鉄のロッドが錆びることも想定済み。
コンクリート製の波形の瓦が主素材。各瓦には穴が2つづつ空いており、ここに鉄のロッドを通しながら、瓦を重ねていく。移築することを考え、解体し易いことも考慮されている。鉄のロッドが錆びることも想定済み。
壁の幅はタイルの幅と同じ。内壁の配置が長方形のパビリオンに表情を与えている。
壁の幅はタイルの幅と同じ。内壁の配置が長方形のパビリオンに表情を与えている。
フリーダ・エスコベド。これまでの設計者の中で最年少となる1979年メキシコ生まれ。ハーバード大学院卒。これまでの作品にメキシコ個人住宅、ホテルの改築、V&Aなどのパビリオンなどがある。ハーバード大学院、AAスクールなどで教鞭を取る。
フリーダ・エスコベド。これまでの設計者の中で最年少となる1979年メキシコ生まれ。ハーバード大学院卒。これまでの作品にメキシコ個人住宅、ホテルの改築、V&Aなどのパビリオンなどがある。ハーバード大学院、AAスクールなどで教鞭を取る。
床の一部が水盤、天井にはミラー仕上げのスチール板が張られ、周囲の風景が複雑に映り込む。内壁は南北を結ぶライン上にあり、移築した際もこれがガイドになる。
コンクリート製の波形の瓦が主素材。各瓦には穴が2つづつ空いており、ここに鉄のロッドを通しながら、瓦を重ねていく。移築することを考え、解体し易いことも考慮されている。鉄のロッドが錆びることも想定済み。
壁の幅はタイルの幅と同じ。内壁の配置が長方形のパビリオンに表情を与えている。
フリーダ・エスコベド。これまでの設計者の中で最年少となる1979年メキシコ生まれ。ハーバード大学院卒。これまでの作品にメキシコ個人住宅、ホテルの改築、V&Aなどのパビリオンなどがある。ハーバード大学院、AAスクールなどで教鞭を取る。
「素材や歴史など、メキシコとイギリスの両方の要素を盛り込みました」と、メキシコによくある透かし壁を参考に、コンクリート製のイギリス産波形瓦を素材に選択。 瓦に空けた2つの穴を鉄のロッドに通し、編むようにして構築されている。インダストリアルな素材をあえて使い、床もダークなコンクリートだが、瓦の隙間から空の青や木々の緑が透けて見えるというエレガントなデザインだ。

天井はミラー仕上げのステンレス張り、床の一部には浅く水が張られ、これによって周囲の風景が複雑に映り出される。外壁はギャラリー本館と平行させながらが、内壁は少し斜めに、南北を結ぶライン上にある。グリニッジ標準時で知られるグリニッジ子午線がロンドンにあることと、移築されても同じ方角を向くように、という意図だという。

「光と陰の変化で、ここで過ごした時間も感じてほしい」とのことで、日時計のようなパビリオンでもある。中にはカフェカウンターがあり、9月21日までの金曜夜には、各種トークやコンサートなどが開催になる。
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山下めぐみのロンドン通信illustration Yoshifumi Takeda

山下めぐみ

やました めぐみ  ロンドンをベースに各誌に寄稿。イギリスをはじめ、世界各地の建築やデザイン、都市開発にまつわるコンサルティング、建築を巡る旅を企画提案するArchitabi主宰。https://www.architabi.com

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